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柳沢 正史 教授 クラリベイト引用栄誉賞(Citation Laureate) を受賞
イギリスの学術情報サービス会社「クラリベイト?アナリティクス」は、ノーベル賞ウィーク直前のこの時期に、今後ノーベル賞の受賞が有力視される世界の研究者を、「クラリベイト引用栄誉賞」として発表しています。
今年のクラリベイト引用栄誉賞(Citation Laureate) は、9月19日に発表され、本学の柳沢 正史 教授(国際統合睡眠医科学研究機構 機構長)が「生理学?医学分野」で受賞しました。
クラリベイト社は、世界の研究者の論文を分析し、学術論文の被引用数の多さや「研究への貢献度」、「他の賞の受賞歴」、それに「過去のノーベル賞から予想される注目領域」などの要素を勘案して引用栄誉賞を発表しています。この引用栄誉賞の受賞者は、後にノーベル賞を受賞するケースが多々あることから、国内外のメディアは、この賞を"ノーベル賞に最も近い学術賞"とも呼んでいます。ちなみに、賞ができた2002年以降、引用栄誉賞受賞者のうち71名が、その後にノーベル賞を受賞しています。ノーベル賞受賞者の山中 伸弥 氏(2012年、生理学?医学賞)、中村 修二 氏(2014年、物理学賞)、大隅 良典 氏(2016年、生理学?医学賞)、本庶 佑 氏(2018年、生理学?医学賞)も「引用栄誉賞」を過去に受賞されています。
柳沢教授の受賞は、睡眠?覚醒サイクルの遺伝学的?生理学的研究、および重要な睡眠制御因子としてのナルコレプシーの病因にも関与するオレキシンの発見の業績によるものです。共同受賞者として、スタンフォード大学のEmmanuel Mignot氏、ハーバード大学のClifford B. Saper氏が名を連ねました。柳沢教授らの研究は、4,000以上(4,121/1998年の論文に関して)の被引用数を誇るなど「睡眠科学の幅広い分野に影響を与えていて、ナレコレプシー関連研究で大きな存在感を発揮している」(クラリベイト社)とされています。 19日に、東京都内で行われた記者会見で、柳沢教授は、受賞の喜びを次のように語っています。
『大変名誉な場所に立つことができました。睡眠の基礎研究の分野がこのような大きな賞に認識されて、受賞に至ったことが非常にうれしいです。』
なお、今年の受賞者は世界で23名、日本人の受賞者は柳沢教授の他、「化学分野」の片岡 一則 東京大学名誉教授(川崎市産業振興財団副理事長)が受賞されました。記者会見の会場には、在京メディア各社が詰めかけ、発表後も個別のインタビューを申し込むなど、この賞への関心の高さを伺うものとなりました。