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「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」シンポジウムで久野教授、松島准教授が講演
2月21日、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」課題のシンポジウムが、東京都内で開催されました。
久野 譜也 教授(スマートウエルネスシティ政策開発研究センターセンター長?体育系)は、開会挨拶?講演の中で次のように述べました。
「寛容性や包摂性という人の気持ちや価値観に関わる部分について、国が科学技術を用いて解決しようというテーマを組み込んだことに意義があると考えています。さまざまな地域?コミュニティ、各世代において発生している課題を解決していくための素晴らしいチームができたと自負しています。」
企業における女性の健康イノベーションに関するシンポジウムで司会を務めた松島 みどり 准教授(人文社会系)は、次のように指摘しました。
「働く女性の過半数が女性特有の健康課題で困りごとを抱えているというデータがあるものの、当事者自身がそれによって仕事のパフォーマンスが低下している可能性があることに気づいていない、その困りごとを会社で発信することを選択肢としてもっていない現実もあります。また、非当事者が当事者の課題に気づくことも重要です。お互いが気遣い行動していくことで、社会全体のウェルビーイングが向上していくことが期待されています。」
シンポジウムのキーワードの一つである「包摂性」は弱者保護と捉えられがちですが、当事者側の「自律性」を高めるような社会環境を作っていくことも重要とされています。また、諸課題の解決に資する情報にそもそもアクセスしない無関心層の存在も指摘されており、そうしたリテラシーレベルの課題を克服するために、まずは人々にどのような情報を届け、当事者?非当事者双方の行動変容を促すかを考えていくことがポイントであるとしています。 各シンポジウムでは、この考え方を基底に産官学の垣根を越えた議論が展開されました。
SIP第3期(2023~2028年度)の14の課題のうちの一つである本課題は、プログラムディレクターである久野教授のもと、以下の4つのサブ課題について9つの研究開発テーマから構成されています。
- 社会の寛容性向上
- 個人の自律性向上
- 子育て世代?女性の幸福度向上
- 障がい者?高齢者の生きがい向上
研究開発テーマの一つである「地域住民の包摂性向上と妊婦?子育て女性のWell-being最大化に向けた社会技術の開発」については、松島准教授が研究開発責任者を務めています。