医療?健康

芳香浴でテレワーク中の気分やパフォーマンスが改善する可能性を確認

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(Image by Rabusta/Shutterstock)
 テレワーク就業者の心身に対する芳香浴の影響を調べました。4週間にわたって日中と夜間に、嗜好する精油(エッセンシャルオイル)を選んで芳香浴を行った結果、プレゼンティーイズム(健康問題が理由で生産性が低下している状態)が減少し、仕事のパフォーマンスが高まる可能性が示唆されました。

 コロナ禍を機にテレワークの普及が進む中、オンオフの切り替えの難しさや集中力の低下といった課題も浮き彫りになってきました。これらは仕事のパフォーマンスにも影響を与える可能性があり、効果的な対策が求められています。そこで本研究では、ストレス軽減や睡眠の質向上、仕事のパフォーマンス改善との関連が報告されているアロマテラピーの一手法である芳香浴に注目し、テレワーク就業者の気分、睡眠の質、認知機能、仕事のパフォーマンスに及ぼす影響を検討しました。

  テレワーク就業者30名を対象に精油の香りを用いた芳香浴を行ったところ、開始10分後に、二次元気分尺度の活性度、安定度、快適度の値が有意に上昇しました。また、芳香浴を4週間実施した結果、プレゼンティーイズム(健康問題が理由で生産性が低下している状態)が有意に低下し、テレワーク就業者の気分改善や仕事のパフォーマンス向上に有用である可能性が示されました。以上のことから、アロマテラピーは、テレワーク就業者の心身に対する手軽で実用的なセルフケアの手段の一つとなり得ると考えられます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波?学 体育系
水上 勝義 教授

掲載論文

【題名】
テレワーク就業者の心身に対する精油の香りの影響
(Effects of a scent of essential oils on the mental and physical health of people who work from home)
【掲載誌】
アロマテラピー学雑誌
【DOI】
10.15035/aeaj.260104

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