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及川 浩輝さん(社会?国際学群 社会学類4年次)

RPGで地域と学生つなぐ

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及川 浩輝さん

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社会?国際学群 社会学類4年

 つくば市北部の北条地区は江戸時代、筑波山参拝の門前町として栄えた土地だ。今も古民家や土蔵などの歴史的な街並みが残る。
 この街を筑波大生が実際に巡り、冒険を繰り広げる体験型ロールプレーイングゲーム(RPG)イベント「つくばクエスト」を今年3月に実施した。
 コロナ禍で参加者は15人に絞ったが、「謎解きもありつつ、街歩きを堪能できた」「建物の雰囲気が好き。また来たい」などの声が寄せられた。「大学生と地域とのつながりを作るという目標は達成できた。今後も続くイベントにしたい」と手応えを感じている。
 本学入学後、議員事務所でのインターンシップなどに取り組んだ。2020年10月のつくば市長選に際しては、選挙に行ったことを証明する写真などを提携先の店舗で提示すると、割引や飲み物サービスが受けられる「選挙割」キャンペーンを実施した。
 こうした地域活動に携わる中で、つくば周辺には魅力的な文化や歴史が豊富な地区があることを知った。しかし、人々の関心は先端研究や中心部のまちづくりに集まりがちだ。その一方、周囲の学生たちからは、「生活に刺激がない」「どう行動していいか分からない」などという声をよく聞いた。
 「ならば、若者と地域を結びつければいい。地域の活性化にも、若者の活動にもつながるはずだ」。そう考えたことが、つくばクエスト開催のきっかけだった。
 サークルの仲間などに声をかけ、昨年秋に運営チームを結成。北条地区の店舗や施設に協力を要請するとともに、クラウドファンディングで資金を調達し、ネット交流サービス(SNS)での情報発信やRPGのストーリー作りにも取り組んだ。
 「社会学とは、世の中の当たり前を疑う学問だ」。オープンキャンパスで熱く語る教員の言葉にひかれ、本学進学を決めた。
 「経済学などと違い、公式化できないものを、フィールドワークや統計を駆使して解き明かすことが社会学の面白さだと知った。つくばは、学生同士のつながりが強い。地元の人たちも、学生の力を欲してくれ、さまざまなことに挑戦しやすかった」と学生生活を振り返る。北条での取り組みは、そんな学びのアウトプットと言えるだろう。
 鉄道や不動産事業を傘下に持つ大手企業から内定を得ており、卒業後も、まちづくりなどに関わっていくつもりだ。



後輩にひとこと

 授業の選択肢や活動する時間帯が広がるなど、大学では高校より自由度が増します。筑波大は、大学近くで暮らす学生が他大よりも多く、学生同士のつながりが深まりやすい。そんな環境の中で自分と向き合う時間を持てば、やりたいことが見えてくるはずです。

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